家造りコラム

テレワーク時代に求められる居住環境

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、何の準備もなく、日本中でテレワークが求められました。これまで、職場で仕事をし、住まいで家族と過ごす、という考え方が一般的で、多くの住まいは、仕事をするようには、造られていませんでした。

今回の自粛要請を期に実施されたテレワークの経験から、テレワークに適している職種、適していない職種がはっきりしたようです。今後も継続的にテレワークが実施されることで、住まいに対する考え方が大きく変わる可能性があります。

テレワークに関するアンケートが、各社のホームページにて公開されています。とても興味深い内容です。アフターコロナ・テレワーク時代に求められる居住環境について考えてみましょう。

三谷産業株式会社(本社:石川県)は、2020年1月から在宅ワークを推奨し始め、2020年4月に在宅ワークに関するアンケートを実施、その集計結果がホームページで公開されています。
単身者や中学生以上の子供の同居がある家庭では、生産性への影響は少なくなっていますが、小学生や未就学児の同居がある家庭では、生産性への影響は大きくなっています。

テレワークをすることによって、ほとんどの家庭で、ストレスを感じており、特に未就学児や小学生がいる家庭では、約6割の人がストレスを感じています。
「子どもが話しかけてきて仕事に集中できず、また子どもに対して寂しい思いをさせてしまう」「家族に気を遣わせているのが申し訳ない」との声があがっています。

マンションラボ(本社:東京都)が、2018年11月に実施したテレワークに関するアンケートによれば、「個室の書斎スペース」を希望する声が多くなっています。

日本の住宅は、家庭と楽しく過ごすことを前提にして造られていますので、新型コロナウイルス感染拡大の抑制のためのテレワークには、根本的に無理が生じていいる様子です。このことが、会社で仕事をしてきた人に、ストレスを与える結果として表れています。

テレワーク時代には、小さくてもいいので、個室の書斎スペースが求められています。