私たちの家造り

私たちの暮らす地球は、生きている

地球は太陽系の惑星として64億年前に誕生しました。その時の地表温度は1,000℃以上まで上昇していたと言われています。地表温度の低下とともに、38億年前に生命が誕生し、さらに時が進み、約6500万年前に人類が誕生します。

私たちの住む地球の構造について、多くのことが解明されるようになってきました。最新の研究によれば、地球の中心は、内核と呼ばれ、解けた鉄でできています。その温度は5500℃という高温です。内核の外側は、外核と呼ばれ、内核と同じく解けた鉄でできています。5000℃という高温です。外核の熱は、下部マントル層に伝わり、年間1~10センチという超低速で、まるで水飴のように下部マントルを上昇します。熱は、さらに上部マントルへと上昇していき、大陸プレートに到達します。

大陸プレートに到達した熱は、年間1~10センチという超低速で、大陸プレートを移動させます。熱は冷やされながら、長い年月をかけて大陸プレートと共に移動します。大陸プレート間の境界で下部マントルに向かって沈み込みが始まります。大陸プレートが沈み込む際、反対側の大陸プレートを引きずることで、歪みが発生します。年月の経過と共にその歪みが蓄積し、限界を迎え、元の状態に戻ろうとして一気に動きます。これが地震のメカニズムです。

私たちの暮らす地球は、まさに生きているのです。

画像:国立研究開発法人海洋研究開発機構

日本列島の南側からは、フィリピン海プレートが年間3~5cm程度の速度で北西方向に沈み込んでいます。伊豆半島は、南の海から運ばれて、三島の海岸に接岸したことが、衛星写真からも見て取れます。大島や新島も、いずれ伊豆半島周辺に接岸するのです。

日本列島の東側からは、太平洋プレートが年間8cm程度の速度で、西北西方向に沈み込んでいます。ハワイ諸島も太平洋プレートの移動とともに、日本列島に近付いています。日本とハワイの距離は約6,200kmありますので、約7700万年後(620,000,000cm÷8cm=77,625,000年)には、日本列島の直ぐ東側まで接近してきます。伊豆半島のように接岸せずに、残念ながら、日本海溝に深く沈み込んでいきます。

大阪周辺の活断層帯

画像:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター・活断層データベース

私たちが住んでいる街の地面を掘り下げていくと、最後は固い岩の層にぶつかります。この岩の中にはたくさんの割れ目があり、通常、この割れ目はお互いしっかりかみ合っていますが、ここに「大きな力」が加えられると、割れ目が再び壊れてズレます。この壊れてずれる現象を「断層」活動といい、そのズレた衝撃が震動として地面に伝わったものが地震です。 「断層」のうち、特に数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」と呼ばれています。日本では2000以上もの「活断層」が見つかっていますが、地下に隠れていて地表に現れていない「活断層」もたくさんあります。見つかっている「活断層」はグループに仕分けされ、113の「活断層帯」として選定されています。

大阪には、有馬-高槻断層帯、上町断層帯、神戸・淡路島断層帯、生駒断層帯という4つの活断層帯があります。東西に連く有馬-高槻断層帯、南北に続く上町断層帯、神戸・淡路島断層帯、生駒断層帯の3つの断層帯が箕面市で交差しています。文部科学省研究開発局地震・防災研究課の報告によれば4つの活断層帯は、いずれも活動の可能性が少ないと予測されています。

画像:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター・活断層データベース

世界で発生している地震




参照:アメリカ地質調査所・世界の地震統計

2011年の東日本大震災を引き起こした‎「‎東北地方太平洋沖地震」

画像:国立研究開発法人海洋研究開発機構

2011年の東日本大震災を引き起こした‎「‎東北地方太平洋沖地震」の震源域は、岩手県沖から茨城県沖にかけての幅約200km、長さ約500kmの広範囲に及ぶ大陸プレートが動きました。地形の変化を調べたところ、平均で東南東方向に50mに動き、海底面の高さがが7m盛り上がっていることが判明しました。マグニチード9.0、最大震度7を記録した、超大型地震は、同時に海面をおし上げて巨大津波を引き起こすことになったのです。

南海トラフについて

南海地震想定震源域・東南海地震想定震源域・東海地震想定震源域については、気象庁が発表している情報に基づいています。 南海トラフにおける今後30年以内に地震が発生する確率は、文部科学省地震調査研究推進本部が発表している情報に基づいています。

東海トラフは、過去の地震の発生状況から、南海震源域・東南海震源域・東海震源域と3つのエリアに分けて考えられています。この東海トラフでは、過去400年の間に、実に6回もの巨大地震が発生しています。

1605年に発生した慶長地震(震源については諸説あり不明)は、3つのエリアが全て同時に動いたマグニチュード7.9の巨大地震でした。その102年後の1707年に発生した宝永地震も、3つのエリアが全て同時に動きました。マグニチュード8.6の巨大地震で、5,038人の犠牲者が記録されています。さらに147年後の1854年には、マグニチュード8.4の安政東海地震が発生、続けて1ヶ月半後にマグニチュード8.4の安政南海地震が発生しました。

安政地震から90年後の1944年には、東南海震源域においてマグニチュード7.9の昭和東南海地震が発生。伊豆から紀伊半島にかけて最大9mの津波が発生しています。その2年後の1946年には、南海震源域においてマグニチュード8.0の昭和南海地震が発生しました。

東海トラフで起きる地震の特徴は、マグニチュード8~9クラスの超大型の地震であること。また3つのエリアが連動して動いていること。地震が発生すると巨大な津波が発生し、甚大な被害が発生することです。

文部科学省地震調査研究推進本部は、南海トラフにおける巨大地震発生の可能性が非常に高く、今後30年間において70%の確率で発生すると発表しています。

内閣府中央防災会議は、今後30年以内に、東海地震が発生する可能性は87%、東南海地震は60%、南海地震は50%であると発表しています。東海エリアは1854年に発生した安政地震以来、160年以上にわたって地震が発生していません。大陸プレートの移動よる歪が蓄積し、巨大地震が発生する確率が最も高いのです。過去の地震の発生状況から、3つのエリアが連動して同時に動くことも予測されています。

南海トラフが動いたら箕面市は震度6

南海トラフが動くと、マグニチュード8~9クラスの海溝型超大型地震が発生します。シュミレーションの結果、箕面市は震度6で揺れます。 阪神淡路大震災の発生時に、箕面市は震度4でしたから、その揺れの大きさは比べものになりません。 誰でも自分の家は大丈夫だろうかと、心配になるものです。

耐震等級と建物被害状況

建物を建てる国の基準として、建築基準法という法律があります。 この建築基準法では、阪神淡路大震災の被害状況を元に2000年に法改正が行われ、住宅の耐震性能の基準が見直されると共に、住宅の耐震性能を比較するための等級が定められました。
耐震等級1 建築基準法と同程度の耐震性能を持つ
耐震等級2 建築基準法の1.25倍の耐震性能を持つ
耐震等級3 建築基準法の1.5倍の耐震性能を持つ
2016年4月に発生した熊本地震では、耐震等級1と2の住宅で倒壊する被害が報告されていますが、耐震等級3の建物では倒壊している建物はありませんでした。 この熊本地震の結果から、住宅の耐震性能は、1.5倍の耐震性能を持つ耐震等級3が求められます。

今住んでいる家の多くは耐震等級1

10年以上前に建てられた木造住宅は、ほとんどの住宅が耐震等級1で建設されていると考えられます。 このため、南海トラフが動いたら、多くの住宅で、倒壊もしくは住むことができなくなる程の被害が想定されます。

実際に、熊本地震では、築35年以上の住宅では半数が倒壊し、築15年以上の住宅では19%の住宅が倒壊、築15年以内の住宅においても7%の住宅が倒壊しています。 家が倒壊し、生活が混乱するばかりでなく、家族の命までも奪われてしまうことを考えると、南海トラフが動く前に、耐震改修を行っておくことが急務です。

耐震ガセットで耐震等級3相当に改修

現在住んでいる住宅を、耐震等級3相当に耐震改修する「耐震ガセット」という工法が開発されました。 どの壁を補強すればいいのかを構造計算をした上で、家の外壁を剥がし、厚さ9ミリの構造用合板を貼ります。 その構造用合板に、強力な引っ張りに耐える緑色をしたアラミド繊維を貼り基礎と緊結した上で、構造用鋼製パネル「耐震ガセット」で固定します。※許容応力度計算等実施後等級取得可能

住んだまま引越しなしで工事

耐震改修をしようと思っても、耐震改修工事のために、一旦引越しをしなければならない工法がほとんどですが、この「耐震ガセット」による耐震改修は、外側から工事をしますので、住んだままで引越しをしなくても耐震改修工事ができるのです。

耐震改修費用は1000万円程度

今までの耐震改修工事は内部の改修工事も伴うため、35坪の木造2階建て住宅の場合、工事金額は1500~2000万円掛かりますが、「耐震ガセット」による耐震改修は、住んだまま工事をするため、35坪の木造2階建て住宅の場合、耐震改修工事にかかる費用は、大よそ1000万円程度で済みます。